受け取る傷、差し出す傷。

例えば、
「愛してもらえなかった」
「かわいがってもらえなかった」
「認めてもらえなかった」

のように
「もらえなかった」傷
というのがある。

実際に、その類の話をする人はとても多いし
多くの人の傷になっていることは確か。

でも実は、その奥に
「受け取ってもらえなかった。」
拒絶の傷みたいなものが、
同様に存在する場合があるのだ。

これも結構傷が深い。
そして、私にはこの傷があった。

「どうせ、受け取ってもらえない。」
「どうせ、喜んでもらえない。」
私の伸ばす手は、誰も助けないのだ。
という、深い諦め。

だから、自分から差し出すのが怖い。
差し出した手を、振り払われるのが怖い。

差し出して、状況を変えられないのが怖い。
助けようとして、ガッカリされるのが怖い。

振り払われるのが怖いから
手を伸ばさないまま、
固く握った拳をひらくことのないまま。

大切な人を救えない。
このビリーフは、現世でも母に感じ
その起源は、遠い過去にあった。

この記憶が残ったまま
ある人に花を贈った。
その人のような真っ白な花を。

その人が、その花を受け取り
大粒の涙を流した時
「また」出会えてよかった。
そんな言葉がこころに浮かんだ。

「間に合った。
今回は、間に合った。」
安堵にも似た感情が沸き上がった。

「お疲れ様、頑張ったね。」
この数日の試練だけではない。
あなたは、今までずっと頑張ってきた。

「愛されてるよ、大丈夫。」
その人にかける言葉は、
すべて自分への癒しとなった。

いくらでも、未来は書き換わる。

過去の傷はいつまでも浮かび
延々とそれと戦い続けるしかないのかと
途方に暮れることもあるのだけれど

いつからでも、未来は書き換えられる。

だからこそ今、あなたは
この物質世界に降りて来たのだから。
その事実を証明するために。

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